おいしいもの通信

おいしいもの通信 / 酒場部活動日誌 / おでかけスキッパー / しあわせごはん愛のうた の4部で構成されてるごはん日記

2015年09月

 日本橋にある大正13年創業のおでんの名店『お多幸』の支店が上板橋にあるということを知ってからちょこちょこ通ってます。支店の方も昭和44年創業の老舗。店構えもいい感じです。


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 お多幸

 これからこのお店のおでんがおいしいとか、雰囲気がいいとかいうのをお伝えしたいところなんですけど、それ以上に言いたいことがありまして。このお店、慢性的に人手不足なんです。もう、おもしろいくらいに。

 お店はスペース的にはそれほど広くないものの、カウンター席8+テーブル席24+座敷24くらいで50人くらい入る感じでしょうか。それに対して、店員は女将さん+バイト1人の合計2人。(バイトが2人入ってることもあるけど、だいたい1人のことが多いです。)なので、ぜんぜん回ってない。料理が出てくるのが遅い、というか忙しそうすぎて注文する隙もない、注文したけど忘れられてる、みたいなことは日常茶飯事です。

 もうね、普通に考えたらダメでしょ。バイトは常にアタフタしてるし。なんだけど、このダメっぷりを女将さんのキャラクターが全部ぶっとばしてくれます。女将さんに「あら~、ごめんなさいね~。」って言われるとすべて許せてしまうから不思議。チャーミング女将のパワーですべてが成り立ってる。これが『お多幸 上板橋支店』です。


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 ビールはキリンラガー

 カウンター席に座ってビールを注文。隣の席のおっちゃんがおしぼりを出してくれるので受け取って手を拭きつつビールを待ちます。

 ちなみにこのおっちゃんは店員でも何でもなくて、なぜか店員のように使われてる常連客です。客として飲みに来てるのに、女将さんに言われて業者に電話かけさせられたり、焼酎の在庫を倉庫に取りに行かされたりしてます。おっちゃんは席に戻ると「まったく人使いが荒いんだから。」って言ってニコニコしながらウーロンハイをまたひと口。なんだかんだ言いながら楽しそうっていう。僕も最初は動揺したけど、もう慣れていつもの風景くらいな感覚になりました。


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 おでん

 隙を突いて注文したおでん。甘めの出汁がしみしみです。冷たいビールにアツアツのおでん~。たまらんね~。ちなみに、出汁は暖簾分けの際に本店から譲り受けたものをずっと継ぎ足しで使っているらしいです。伝統の味~。

 隣のおっちゃんは僕より先に注文してたみたいで「俺のがんもがまだ来ないんだけど。」って言ったのだけど、女将さんは「あっ、なくなっちゃった~。ごめんね~。」とぜんぜん悪びれる様子もない上に「ちくわぶならあるけど。」っていうまったく違う提案をしてました。えー。おっちゃんも「じゃあ、冷やしトマトでいいや。」って。ええー。おでんですらなくなってる。


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 ポテトサラダ

 ザックリ切ったじゃがいもと半熟のゆで卵を野菜やベーコンと一緒にマヨネーズで和えたポテトサラダです。ホックホクのザックザクでおいしい。ちなみに、おでんと一緒に頼んだけどだいぶ遅れてやってきました。「遅くなっちゃってごめんね~。」と女将。でも、そんなのはぜんぜん大丈夫。むしろ、注文を忘れられてなくてよかったです。


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 酎ハイ

 酎ハイは忘れられてたので注文しなおしました。


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 とうめし

 そして〆に名物の「とうめし」です。毎回、最後に頼むのだけど今のところ食べられてる確立65%くらいです。なぜか豆腐が業者から届いてなかったり(件のおっちゃんが問い合わせの電話させられてた)、豆腐が煮えてイザッと炊飯器を空けたらごはんを炊き忘れてたり。ガッカリするけど、そのたびにチャーミング女将の必殺技「ごめんなさいね~。」をくらって「また来から大丈夫です~。」と許してしまってます。


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 寄ってみました

 このビジュアル。ごはんに豆腐を一丁そのまま乗せただけっていう豪快さ。甘い出汁がしみたごはんとアツアツ豆腐のフワッとした食感がベリーマッチ。本店ではランチでしか食べられないメニューが上板橋では飲みの〆に食べられるのは嬉しいです。

 このお店はオペレーションがこんなにグダグダなのに、人気があっていつ行ってもほぼ満席状態です。これはおでんがおいしいからだけじゃなくて、完全にチャーミング女将のキャラクターのなせる業なんだと思う。テーブルの片付けもできずにバタバタしてると、お客さんが自分でグラスとかカウンターに持ってきてくれちゃったりするし、狭いから詰めようか~みたいなこともお客さんが率先してやってる。もう、とにかく愛され度がハンパない。

 お会計のときに「どうだった?」と聞かれたので、とってもおいしかったですと伝えると「んもう~、その言葉だけでがんばれちゃう♪」と言って笑うチャーミング女将。僕も完全に虜になってしまってます。


『お多幸 上板橋支店』
http://tabelog.com/tokyo/A1322/A132203/13038117/
東京都板橋区上板橋1-27-7

 
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 「なぜ山に登るのですか?」と聞かれて「そこに山があるから。」と答えたジョージ・マロリーのように、すごい山があると聞いたら登りに行くしかないと思うんです。ネットで検索すれば画像はたくさんでてくるし、テレビでも見かけたりするけど、そういうことじゃないと思うんです。実際に自分の目で見て、体で感じることが大切だと思うんです。事件は会議室で起きてるんじゃないんです。現場で起きてるんです。


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 奥会津

 ということで、現場にやってきました。埼玉県久喜市にあるそば屋『奥会津』です。店内は満席。6~7組待ちといったところでしょうか。20分ほど待って店内にイン。そして「かき揚げそば大盛り」を注文しました。大盛り、どうやらこいつが容疑者のようです。


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 ごま汁そば(並盛り)

 まずは参考に並盛りのものを見てみましょう。こちらは、「ごま汁そば」というごま味噌っぽいつけ汁のそばです。量は普通。やや多めといえば多めかもしれませんが、これで並盛りということは、大盛りと言ってもせいぜいこの2倍くらいの量というところでしょう。余裕ですよ、室井さん。こんくらいの事件、ちゃちゃっと解決しちゃいますね。

 そんなことを考えていると容疑者が現れました。


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 かき揚げそば(大盛り)

 ちょっとー!話が違うじゃないですか!どうなっとんじゃーい!


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 そば

 めちゃめちゃ盛られてるじゃないですか!「特盛り」とか「メガ盛り」とかじゃないんですよ?大盛りですよ?急でしょ!急に増えすぎでしょ!もうちょっと段階を踏むべきでしょ!どうしたらいいだこれ!こんなの手に負えるのか!室井さん、答えてくれ!俺はあんたの指示に従う!


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 かき揚げ

 そばの存在感がすごすぎて目立たないけど、かき揚げも馬鹿デカい!写真だと分かりづらいかもしれないけど!これ!コピー用紙でいうところのB4サイズくらいあるよ!室井さーん!「君たちの判断に任せる。責任は私が取る。」って、そんなこと言われてもレインボーブリッジ封鎖できませんし、奥会津のチョモランマ登頂できませーん!

 奮闘したのですが、残念ながら完食にはいたりませんでした……。でも大丈夫。『奥会津』はお持ち帰り用のビニール袋が用意されているので、残りはそれに入れて持ち帰り、スタッフがおいしくいただきました。

 そんなこんなで容疑者確保!なんてな。和久さ~ん!


『奥会津』
埼玉県久喜市大字北青柳86-1

 
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